HKT指原莉乃と「ネット時代の聖女」はあちゅうが語る、炎上に負けない技術。
有名な誰かの批判は、知名度をあげる手段にすぎない
こんにちは、京都に住むきよもりです。最近、会社に居場所がありません。いや考えてみれば、昔からずっとないのかもしれません。いつも声の大きい同僚に直接間接に非難され悪口を囁かれている、そんな身の置き所のない毎日を送っています。
しかし、近頃立て続けに『逆転力』(指原莉乃/講談社AKB新書)と『半径5メートルの野望』(はあちゅう/講談社)を読んで、大変な勇気をもらいました。まわりから自分を批判されると、それが噂であっても普通は凹みます。しかし、指原莉乃さんとはあちゅうさんは、そんなことではめげないのです。小林よしのり氏(よしりん)に嫌われていると聞きつけたHKTの指原莉乃さんは、落ち込むどころかこんな行動に出ます。
テレビやラジオでよしりんに嫌われているという話をしまくって、よしりんにまた嫌われて、対決の構図を強化しました。 知名度のある人が自分のことを「嫌いだ」と公言していたら、ファンのひとは「なんだあいつは!」となるし、アンチの人は「そうだそうだ!」って盛り上がるわけじゃないですか。「嫌い」と言う人の意見に反発することで、「好き」と言う人の気持ちも燃えるんです。
一方、「ネット時代の聖女」はあちゅうさんは、多数の読者を抱える先輩有名ブロガーに対して、こう言い放ちます。 『私がどんなに傷ついても悪く言われても構いません。とにかく私の名前が売れればいいので 、ブログに(私のことを)書いてください 』
すごすぎます。覚悟が違います。はあちゅうさん曰く、
どうでもいい人について 、分析して文章を書くなんてありえません 。こうやって 、この方が書いてくれたおかげで 、 「え 、はあちゅうって誰 ?何をやっている人 ? 」と興味を持ってくれる人が増えるのです。 無関心でいられるより 、嫌われるほうがマシ 。その人の心の面積をどれだけとっているかが 、私にとっては大事です 。相手の視界に入っていれば 、嫌いを好きにひっくり返すことはできるけれど 、全く興味を持ってもらえなかったらそのチャンスすらもらえないからです 。だから 、まずは 「気にしてもらえる存在になる 」ことが大事だと思うし 、そのためなら 、多少の悪評も覚悟しています 。
知名度のある人が自分について嫌いと言ってくれれば、その悪評によって気にしてくれる人が増える。 どうでしょう。 2人はまったく同じことを言っているのです。少しくらい叩かれたって問題ではありません。有名な誰かの声高な批判は、次のファンを獲得するための広告なのです。
嫌われても気にしない
逆に無名の大衆からどれだけ非難が殺到しても、内容が何であっても2人は気にしません。
たとえ悪口を言われても、私のことを嫌いだという人がたくさんいたとしても、「現実の私は幸せだからいいじゃないか」と開き直ることができるようにもなったんです。
うん、指原さんは気にしません。
小物たちが私のアラを探しまくっている間に 、私は大物になるために頑張るのです 。彼らの手の届かない世界 、見たことのないものがある世界 、会えない人と会える世界にいくんだ 、と自分を奮起させています 。そうとも知らず 、小物たちは私にせっせと 「悪口 」という燃料を毎日くべてくれているので 、自分の時間をたくさん使って 、私を動かす原動力になってくれてありがとう 、とこの場を借りてお礼を言っておきます 。
はあちゅうさんはさらにその上を行きます。無名の大衆の悪口は、自分を立ち上がらせるガソリンなのです。確かに、心無い悪口にいちいち傷ついても、自分を傷つける相手を満足させるだけで、自分の人生には何のプラス効果もない。落ち込んでいてはもったいない!
2人はネットパトローラー
ここまで読んでくると、否が応でも2人の共通点に気付かざるをえません。例えば24時間ネット警備員気質。
(指原さん) ツイッターで、私にヘンなことを言ってくる人は全部見ています。これはさすがにどうなんだろうと感じるツイートがあれば、その人の他のツイートをざっとチェックして、プロフィールも確認します。言っても大丈夫な人だなと思ったら、「こういうことを言われたら私も傷つきます」と返信します。
(はあちゅうさん)私は 、自分の名前で毎日エゴサ ーチもしているので 、本人の目に触れないだろうと思って書かれている悪口も 、もれなく目を通しています 。とある番組で 「自分のことをエゴサ ーチしている 」と言ったら 、 「その時のはあちゅうの目が怖かったわ 。このつぶやきも見てるのかな 」とツイッタ ーに書かれていたのですが 、 「その怖い目で今 、見てますよ 」と思いながら 、見逃しませんでした 。検索能力には自信があるので 、私は私の悪口を世界中で一番目にしていると思います。
指原さんもはあちゅうさんも、批判に目をつぶるわけではなく、むしろ冷静に監視しています。そして炎上管理への絶対的な自信。
(指原さん) たとえ炎上したとしても、コントロールできる自信はあります。なぜかというと子供の時から、2ちゃんねるばっかり見てたから。火加減がうまいんです。
(はあちゅうさん)ブログが炎上した経験は何度もありますが、得た学びは「野次馬は、いずれ新しい興味対策を見つける」ということ。批判する人もみんな、すぐに飽きます。だから、炎上した時こそ、客観性を忘れないことが大事です。自分を否定されているわけではなく、自分の発言の一要素が否定されているのだと、問題を切り分けて、自己嫌悪になったり逆ギレしたりしないようにしましょう。
どちらかと言えば、指原さんは強い力に逆らわず受け流し、時にその力を利用するカウンタースタイル。 はあちゅうさんは真っ向から立ち向かうファイティングスタイル。 多少の違いはあるものの、批判や炎上に対するスタンスは驚くほど似ています。この2人は有名匿名の悪口雑言にうまく対応し、成功を積み上げてきました。
正直に言って、私はこれほど会社生活で追い詰められていなければ、いい年をした大人が指原さんの『逆転力』を本屋のレジに持っていくことを恥ずかしいと思ったでしょう。(ちなみに、はあちゅうさんの本はkindle版があったのでレジに行かなくてすみました。)あまりにも辛かったので、もっとひどい目にあっていそうな指原さんから学ぼうと思ったのです。(ええ、浅ましい性根です。)そして今は、読んで良かった、学ぶべきものはたくさんあった、と心から言えます。多少の悪口を言われたくらいで、人生は終わらない。月曜日から、また頑張らなくては。
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