ちゃんと、言えない。

ゆるゆる、やります。育児、アイドル、ゲーム実況、本のことなど。

『育休世代のジレンマ』に見る退職に追い込まれやすいタイプ

仕事を辞める決断をするのは、ガツガツ働いていたマッチョ系女子

退職A : 〔それまでは 〕自分で仕事を取ってきて 、作り出して 、提案するとかいうことが仕事の中で楽しかったんで 、 〔復帰後は 〕補佐とか 、自分に全く責任ないとか事務的なこととかばっかりやってて 、こんなの誰がやっても同じだし 、誰もやらなくてもいいような仕事を作り出して私に与えられている感が嫌だった。

のっけからあまりにリアルなコメント引用ですみません。こんにちは、京都に住むきよもりです。

『「育休世代」のジレンマ 女性活用はなぜ失敗するのか?』(光文社新書 中野円佳著)を読みました。

これまで漠然と、子どもができて仕事を辞めるのは、仕事にプライオリティーのない腰掛け女子であって、仕事大好き女子は、なんとか両立を目指すもんだと思ってました。

違いました。

子どもができて仕事を辞めるのは、それまでガツガツ仕事をして、自分で利益を出したり、サービスをゼロから作ったり、仕事の醍醐味を男性同様に味わっていた人たち。

産後復帰すると、いつ休んでもいい仕事(=貢献度、存在感共に薄い仕事)になり、子どもを犠牲にしてまで働く価値があるか疑問を持ってしまうのです。

また、自分が売り上げを稼いで会社の利益を叩き出していただけに、お荷物社員の人件費など、会社へ与える負のインパクトをリアルに感じとってしまい、結果辞めると。

ジェンダー意識が伝統的な女子は残る

仕事継続L :(昇進が同期より遅れることに対して)そりゃそうだろうなって 。 4時間勤務じゃどうしても 〔仕事量は 〕減るから 。今フル 〔タイム 〕だったら生活がすさんじゃう 。楽をさせていただいていて 、働かせてもらってるだけでありがたい。給料はすごく下がったけどね。半分くらいになった。

女の子なんだから、と言われてきて比較的それを受け入れてきた女性は、マミートラックに比較的寛容なのです。夫だけが産前と変わらず働き出世していき、自分が立ち遅れていく姿も、まあ女性だし、子どもの面倒も見たいし、ということで受け入れていくようです。

「なぜ、自分だけがキャリアから取り残されるの!? 」などとカリカリしない。

そういう私自身も、半ば諦めとともに上記の考え方になりつつあります。だから仕事が続いているのでしょうか…。

しかしこういう方しか残らないとなると、企業からしたらやはり困る。仕事を放り出して呼び出された保育園に駆けつける人を、責任者にはつけにくいです。

知り合いのダイバーシティ担当者は、「制度に甘えるな」と若い女性の尻を叩いてまわっているそうです。結局、自分が出来得るギリギリのところまで仕事に尽くさないと、戦力にはなり得ないのだそうで。

うーん、役立たずの汚名を広い心で受け入れつつひたすらハムスターのように走って奮闘するしかないのであれば、両立するメリットも子どもを育てる喜びもその苦しさの前に霞んで行く気がしてなりません。(それは子どもに恵まれた人の甘え、とか自分の選択なんだから苦労するのは自分の勝手、などが世間の声であることは重々承知しつつ…。)

この本の著者も後半で、女性活用を進めるための提言を色々としてくれていますが、決定的なものはなさそうです。どうしたものか、です。

「育休世代」のジレンマ 女性活用はなぜ失敗するのか? (光文社新書)

「育休世代」のジレンマ 女性活用はなぜ失敗するのか? (光文社新書)

辞めるも地獄、続けるも地獄。