ちゃんと、言えない。

ゆるゆる、やります。育児、アイドル、ゲーム実況、本のことなど。

子どもを怒鳴らずに育てる

比較的、おだやかに子どもを育てています。理不尽なことは、言わないほうです。 そう自負していました、この本を読むまでは…。

たとえば、傘を忘れた客にわたしたちは何と言うだろう? その人を追いかけていって、こんなふうに言うだろうか? 「いったい、どうしたんですか? あなたはここに来るたびに何かしら忘れますよ。これじゃなければあれ、という具合にね。どうして妹さんのようになれないんです? 妹さんは忘れ物なんかしませんよ。あなたは四十四歳にもなってるっていうのに、いくつになったら学ぶんです? 私はあなたの後始末をする召使いじゃないんですからね! 頭をどこかに置き忘れてきたんじゃありませんか? 」

上の文章は、『子どもの話にどんな返事をしてますか?』(ハイム・G・ギノット 菅 靖彦訳 草思社)から引用しました。

お気付きの通り、これは良く親が上の子を叱る台詞の変換版です。子どもっていつも親からこんなに理不尽なことを言われているんですね(喫驚)。そして、合理的に、怒鳴らず育てているつもりの私でしたが四十四歳のくだりは子どもに言っちゃってるかも…と、我が身を反省させられました。

そんな不完全な親である私に、ギノット博士はどうしたら子どもに対してまっとうに対処できるか、教えてくれます。彼らに対する良い会話例と、喜ばしくない会話例がのっているのですが、たいてい喜ばしくないほうに自分が当てはまります。悲しい。

喜ばしくない会話例

チャールズ ぼくはバカだよ。
父親 おまえはバカじゃない。
チャールズ ううん、バカだよ。
父親 そうじゃない。キャンプでおまえがいかに賢かったか覚えているだろう? カウンセラーは、おまえがとても利口な子だと思ったんだぞ。
チャールズ 彼が思ったことがどうしてわかるの?
父親 私にそう言ったんだ。
チャールズ じゃあ、どうして彼はいつもぼくをバカ呼ばわりするのさ?
父親 冗談で言ってるだけさ。
チャールズ ぼくはバカだよ。わかってるんだ。学校の成績を見てごらんよ。
父親 もっと勉強しさえすればいいんだ。
チャールズ 一生懸命勉強してるんだけど、だめなんだ。脳が空っぽなのさ。
父親 お前が賢いことは私が知ってる。
チャールズ 自分がバカなのをぼくは知ってるんだ。
父親 (大声で)おまえはバカじゃない!
チャールズ いや、バカだよ!
父親 おまえはバカじゃない、このバカ者!

惜しい、惜しすぎます。途中までは根気よく頑張っていたのに。この、やってしまった感が子育てなんでしょうか。思い当たる節が、あるあるです。

他にもこの本には

  • 説教や批判は恨みを生むだけ
  • まちがいが起こったら、反応しないで対応しよう
  • 嘘にどう対応するか
  • 罰しないでしつける方法
  • 公平にではなく、それぞれ独自に愛する

などなど、興味深い項目が盛りださん。 読めば読むほど目から鱗が落ちてくる本です。 ドサドサッ。

子どもの話にどんな返事をしてますか? ―親がこう答えれば、子どもは自分で考えはじめる

子どもの話にどんな返事をしてますか? ―親がこう答えれば、子どもは自分で考えはじめる

こどもによい影響を与える台詞の例。

「あなたがどう決めても、わたしはいいわよ」

ギノット博士、そんなマリア的な台詞、とうてい思いつきません…。